キングダム45巻で秦王・政が語った、当時の「法治国家」理論について調べてみました!

政が「法による支配」という考えに至った背景が分かりますよ^^

「法治国家」という概念を、秦王・政はどこで手に入れたのか

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「法の下の平等」は、現代なら当たり前の考え方。

でも政が生きていたのは、今よりもはるか昔2000年以上前の中国です。

「強いものが支配する」ことが当たり前の戦国時代に、こんな先進的な考え方をどのようにして手に入れたのでしょうか?

政は、王位に即位してもしばらくは、政治の表舞台に立たずに外向きには無能を装っていました

でもその間に、中国のあらゆる書物を読み漁っていたのです。

漫画の中でも、政は向を寝所に呼ぶものの、夜な夜な書物を読むシーンがありますよね。

その書物の中に、政に「法治国家」の考えを授けた書物があったのです。

それが韓非が書いた「韓非子(かんぴし)」です。

政が影響を受けた「韓非子」

「韓非子」では、それまで中国では主流だった祖先崇拝・「徳」を説く儒家思想に異を唱えます。

「祖先を敬うこと」や「徳」では人間を支配出来ないというのです。

韓非子によれば

「医者が力を尽くして患者を治そうとするのは、思いやりからではなく自分の利益だから」

「棺桶屋が人が死ぬように願うのは人が憎いからではなく、それが仕事だから」

つまり、人は「徳」に基づいて行動を決めるのではなく、「損か利か」で行動を決めるというと。

その人々を束ねるには、「徳」を説くよりも「賞罰」の力が必要だと説いたのです。

これが「法家(ほうか)」の考え方です。

秦王・政はこの考えに共感し、韓非と同門だった李斯を雇い入れたといいます。

漫画では李斯は呂不韋の派閥として描かれていましたが、こんな背景もあったのです。

政の生い立ちが、儒家よりも法家を選ばせた?

先にも書いた通り、中国では古くから浸透していた「儒家」思想。

祖先を敬い古きを重んじる思想です。

もはや常識のレベルで浸透していた儒家思想ですが、政にはそれに従いたくない「思い」があったようにも思えます。

漫画でも描かれているように、母親は政を殺したいほど憎み、政の加冠の儀の当日に愛人と反乱を起こします。

また「実の父かもしれない」疑惑のある呂不韋も、政を道具としてしか見ていませんでした。

「敬うべき親を敬うことが出来ない」

そんな境遇の政が、儒家の思想に反発するのもうなずけます。

☆☆☆

哀しい生い立ちの政。

「始皇帝」というと恐ろしい人物のイメージが湧きますが、史実では中国統一後も自分のための喜びを一切排し、政務と勉強にのみ時間を費やしたといいます。

儒家思想を否定しても、中国統一を目指したのは生い立ちからの恨みや憎しみではなく、キングダムで描かれているように人々の本当の平和を願っていたように思えます。

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