「玉依毘売(たまよりひめ)」とは「神の魂(玉)」が「宿る(依りつく)」姫

全国各地の神話で、「神の妻となる神聖な女性」として登場します。

この記事では多数ある、玉依毘売の神話をご紹介します。

初代天皇の母となった玉依姫

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日本書紀や古事記では、玉依姫は海神の娘として登場。

姉の豊玉姫が産んだ息子「ウガヤフキアエズ」の世話役となります。

豊玉姫は天照大御神の曾孫と結婚したので、ウガヤフキアエズはアマテラスの曾々孫。

そのウガヤフキアエズの世話をした玉依姫はそのまま妻になり、四人の子供を生みました。

そして最後に生まれた若御毛沼命(わかみけぬ)が成長して

神倭伊波礼琵古命(かむやまといはれびこ)

つまり

初代天皇の神武天皇

になります。

上賀茂神社の祭神を産んだ玉依姫

下鴨神社の東本殿に祀られている玉依姫は、「山城国風土記」によると川を流れてきた丹塗矢を拾います。

その矢は実は山末大主神の化身で、矢を床に置いていたところ妊娠します。

そうして産まれたのが上賀茂神社の祭神の賀茂別雷大神でした。

大物主大神の子を産んだ玉依姫

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また古事記では、玉依姫のもとに夜になるとある男性が通うようになります。

玉依姫はやがて妊娠しますが、男性の正体は依然として不明のまま。

そこで正体を確かめようとして、密かに男性の衣服の裾に糸のついた針を刺しました。

翌朝その糸をたどっていくと、三輪山の神社にたどりつきます。

そこで三輪神社の祭神である大物主大神の子を妊娠したことに気付くのです。

玉依姫は神に仕える「巫女」の象徴

冒頭にも書いたように、玉依姫とは「神の魂が宿る姫」という意味でした。

それは現実の世界では、純潔を神に捧げて神に仕える巫女のことを指します。

数多く残されている玉依姫の神話は、

神の意思を伝えるのは古来から女性の役割であった

ということを示しています。

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