日本神話において、しばしば神は「蛇」の姿をして人間の前に登場します。

「蛇」は神または神の男根をあらわすシンボルで、女性がその蛇と交わることは大きな意味を持っていたのです。

日本神話では「蛇」と結婚した女性が巫女になる

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日本では古代から男神が「蛇」の形をして登場しました。

蛇となった男神は、大抵の場合、美しくて霊感のある処女を妻にします。

そしてそうなることで、その女性は

神と交信する能力=巫女としての力

を手にしました。

この伝承は縄文時代にさかのぼることが出来ると考えられていて、「蛇巫(じゃふ)」という女性シャーマンがいたと言われています。

蛇の姿の男神アマテラスの妻となった伊勢の斎宮

処女が蛇と交わり神聖な力を持つという神話の代表的なものは、伊勢神功の斎宮です。

中世に僧・通海によって記された「痛海参詣記」には、

男神であるアマテラスが蛇の姿をして、夜ごと斎宮のもとへ通うため

蛇のうろこが斎宮の寝具に残っている

と記されています。

従来の神話とは違いアマテラスは男神として描かれていて、蛇の姿の彼と交わることで斎宮に巫女として霊力が宿ったのです。

蛇神・大物主の姿を見たために巫女の力を失ったモモソヒメ

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また、孝霊天皇の皇女ヤマトトトヒモモソヒメは、自分のもとへ通ってくる大物主神の姿を一目みたくて、彼に請います。

ところが神の姿が蛇だと知ると驚き、そのとき転がっていた箸で陰部をついて死んでしまうのです。

それまで神と交わっていた巫女が、蛇である神の姿を拒絶したために巫女としての能力を失ったことが、「陰部をついて死ぬ」ということで表現されています。

神武天皇の皇后の父は、「矢」に化けた大物主

モモソヒメと同じように、蛇神の大物主神と交わった女性は他にもいます。

ある豪族に、類まれなく美人な娘・セヤダタラヒメがいました。

このセヤダタラヒメの美しさに一目ぼれした大物主は、彼女が大便をしている時に赤い矢に化けて彼女の陰部に突き刺さりました。

そうして妊娠したのがホトタタライススキヒメ・・のちの神武天皇の皇后です。

蛇と同様に「矢」もまた神の男根のシンボルとされています。

☆☆☆

「蛇」は日本だけでなく世界各地で霊力を持つ生物として扱われてきました。

上記の神話のように、蛇は男根であり、それと女性が交わることで神と交信できたのです。

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