女性ばかりで閉鎖的な「大奥」という特殊な環境では、うっぷんのはけ口としていじめが横行していたようです。
この記事では「大奥でのいじめ」にまつわる歴史的な事実を調べてお伝えします!
新人女中が裸踊りをさせられる「新参舞」
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大奥でのいじめで有名なものに、「新参舞(しんざんまい)」というものがあります。
これは年越しの行事で、新人の女中が踊って見せるというもの。
会社でも新人が新年会などで余興をやりますよね。
そのような位置づけだったようです。
一見すると楽しい気晴らしのようですが、これが「裸踊りでなければならなかった」と伝えられていることから
「新参舞は新人女中へのいじめ」
だったのではないかと考えられています。
しかし、明治になって元大奥女中の女性が「裸踊りなどありえなかった」と証言していることもあり、後世の作り話である可能性もあります。
将軍の子を妊娠した女中への、女の嫉妬
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組織の中では「誰が出世するか」で嫉妬が起こりそうですが、大奥の場合は役職は家柄の良さ。
また最高位である御年寄は、家柄だけでなく20年以上ものキャリアが必要なことから、御年寄への嫉妬というものも考えにくいものでした。
それよりも嫉妬の対象となったのは、将軍のお手がついたりや将軍の子供を妊娠した女中。
特に将軍の子供を産むことは、当時の女性としてはある意味での最高の出世であったことから、このような女中への嫉妬は凄まじいものだったようです。
中には意図的に流産させようすることさえあり、11代将軍・家斉の側室のお梅の方は、庭で転ばされて流産してしまったといいます。
いじめの仕返しに殺された?謎の失踪事件
しかし大奥では、いじめをされる方も黙ってはいませんでした。
11代将軍・家斉のころ、大奥で「あらし」という名の女中が失踪する事件が起こります。
大規模な捜索を行っても見つからなかったことから、当時は「神隠し」と恐れられましたが、後に遺体が発見しました。
あらしは日常的にいじめを行っていたことから、その仕返しに殺されたのでは?と考えられています。
男性役人にも向けられた鬱憤
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女中たちの鬱屈は、同じ女中だけでなく男性役人へも向けられました。
主にその対象になったのは御留守居役(大奥の取り締まりや将軍不在時の江戸城の留守を守る)の男性。
特に節分の豆まきの際に、女中たちで御留守居役を小突き回したりしたそうです。
ただしこれにも例外が。
田沼意次だけは、そのあまりの男前ぶりに女中たちの餌食にされなかったようです。
☆☆☆
大奥は想像どおり、ドロドロしていたところだったようです。
それにしても、家斉の時代の事件の多さ・・
50年も続いていますし、側室も多かったので、当然かもしれません。