江戸時代、遊郭として賑わっていた吉原には、客に知られないように遊女たちがコミュニケーションを取るための「隠語・俗語」が数多くありました。
この記事では、そんな吉原の文化とも言える「隠語・俗語」の数々を、書籍「江戸三〇〇年 吉原のしきたり(青春出版社)」をもとに紹介します!
吉原の文化「隠語・俗語」
客を喜ばせるために「泣きを入れる」
「泣きを入れる」とは一般的に「泣きついて許しを求める」という意味で使われますが、吉原では別の意味で使われていたようです。
それが
「演技をして客を満足させる」
というもの。
遊女たちのテクニックの一つでした。
泣きを入れるの反対に「仕落ち」
また「泣きを入れる」の反対の意味の言葉として使われたのが「仕落ち」という言葉。
これは演技ではなく本当に自分が満足してしまう、という意味。
「仕落ち」してしまうことはプロとして失格で、恥ずかしいことだと考えられていたそうです。
そこで遊女たちは「仕落ち」しないために、何とか気をそらす方法を考えていたのだとか。
早く客を帰したいとき「おしし」
一方、遊女たちは嫌な客に対する対処法も心得ていました。
それが「おしし」と呼ばれた行為。
なんと「おしし」とは「わざとオネショをすること」で、こうすると客たちは早々と帰って行ったのだそうです。
客を見立てるために使った隠語
また遊女たちは、さまざまな隠語で客の特徴を表現していました。
ぐずろ兵衛
老人の男根のこと。
ぐずぐずしているからだとか。
弱蔵(よわぞう)
精力の弱い客のこと。
強蔵(つよぞう)
弱蔵の逆。
板舐め
長すぎる男根のこと。
床板に触れるほど、という意味。
☆☆☆
いかがだったでしょうか。
まだまだ隠語はたくさんあるようですが、この記事ではこの辺りで!