源氏物語には様々な女性が登場しますが、中でもひときわ興味をひかれるのが「六条御息所」です。

彼女は源氏への執着心や他の女性への嫉妬心をつのらせ、ついには生霊となり恋敵を呪い殺してしまいます。

ところがこのような恐ろしいエピソードも、平安時代には特に珍しいものでは無かったようです。

源氏の妻や恋人を呪い殺す、六条御息所

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六条御息所は、平安時代に紫式部が書いた「源氏物語」に登場する人物の一人です。

美貌と教養にあふれた彼女は源氏の恋人になりますが、源氏を愛するあまりに心の中に他の女性たちへの嫉妬心を募らせていきます。

ところが気位の高い彼女は、それを素直に源氏に伝えられません。

源氏の恋人の一人・夕顔は、その優しい心根で源氏の愛を一身に集めますが、それを憎んだ御息所の生霊によって命を奪われます。

また御息所の嫉妬心は本妻で懐妊した葵上にも向けられ、六条御息所の生霊は葵上を苦しめ始めました。

生霊はいったん調伏により退けられますが、出産後に再び葵上を襲い、帰らぬ人にします。

☆☆☆

これらのエピソードは現代に生きる私たちにとって現実離れしており、ありえそうもない話しに感じられます。

ところが平安時代、怨霊に憑りつかれたとされる貴族や皇族の記録は多く残っているそうです。

源氏物語の作者の紫式部自身も、かつての主人であった中宮彰子の父・藤原道長に憑りついた怨霊の事件について、記録を残しています。

病気も災いも「怨霊や物の怪のせい」だった平安時代

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平安時代、原因の分からない病気や死、身に降りかかる不幸は、全て物の怪や怨霊が体に憑りついたせいだと考えられていました。

そして体から物の怪や怨霊を追い払えば、病気や災いや死を退けられると信じられていました。

それを生業としていたのが、験者と呼ばれる祈祷僧です。

験者は、加持祈祷によって怨霊を、「憑坐(よりまし)」という一時的に物の怪や怨霊を宿らせる人物に憑依させます。

そしてさらに憑坐(よりまし)から怨霊を追い払うことによって、病や死や災いを退けていきます。

源氏物語を漫画化した「あさきゆめみし」でも、幼い子供を憑坐(よりまし)にして御息所の生霊を退けようとするシーンが描かれています。

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