柳沢吉保は江戸幕府5代将軍・徳川綱吉の側用人として権勢を誇った人物です。

でもこの柳沢吉保という人物、とにかく悪評が高い。

創作された物語では必ずと言っていいほど悪役ばかりなのですが、本当のところは?

ここでは側用人「柳沢吉保」の本当の評価を調べてみました。

創作物中での側用人「柳沢吉保」の立場

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1.「水戸黄門」での扱い

水戸光圀公が主人公の勧善懲悪ドラマ「水戸黄門」。

ここで「柳沢吉保」は最大の悪役として扱われています。

ドラマの中では賄賂をもらったり、敵対する藩の取り潰しを画策したり。

水戸光圀を隠居にまで追い込んでいます。

将軍徳川綱吉とともに、完全な悪役として描かれています。

2. 「忠臣蔵」での扱い

殿中で刃傷沙汰を起こし切腹となった浅野内匠頭。

その取り決めに大きく関わったのが柳沢吉保とされ、嫌われ者の役になっています。

柳沢吉保が刃傷事件の黒幕とする小説もあるほどです。

3.「護国女太平記」という物語での扱い

「柳沢吉保が妻にした染子は将軍綱吉の妾だった。」

「産まれた子供は綱吉の子である・・」

という物語。

物語の中では、吉保は染子を出しに領地を増やそうとする悪役の扱い。

柳沢吉保はなぜここまで中傷されるのか

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上記の物語はすべて創作なのですが、物語の中でここまで一貫して悪役扱いされてしまうのには、どんな理由があるのでしょうか?

その理由は3つ考えられます。

1. トントン拍子の出世に対する庶民の嫉妬

もとは地方武士の子だった柳沢吉保ですが、綱吉に愛されて幕府で権力を握り、領地まで拝領しています。

そんな運のよい吉保に、一般庶民からの嫉妬が集まったのかもしれません。

2. ライバル新井白石の陰謀

学問を重んじていた吉保は、多くの学者とも交流していました。

その1人が荻生徂徠で、6代将軍家宣の側近になる新井白石のライバルでもあります。

新井白石は、自分が正しいと信じ、自分の意見を激しく主張するタイプの学者だったよう。

ライバルの徂徠が重んじられたのが、面白くなかったのかもしれません。

綱吉や吉保の政治を強く非難したと言います。

3. 仕えた主君・綱吉の評判が悪かったこと

徳川綱吉は「犬公方」と呼ばれ、大変評判の悪い将軍として有名です。

綱吉が本当に暗君だったか・・はさておき、民衆に人気が無かったのは事実のよう。

嫉妬と主君の人気の無さも相まって、吉保の評判がどん底になったのかもしれません。

本当の柳沢吉保の姿

本来の吉保は、領地での政治をしっかりと行い、領民から慕われていたという記録が残っているそうです。

悪役として扱われて、本来の姿が語り継がれないのはとても悔しいですね。

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