スーパー乳母「春日局」のパワーの秘密は？なぜ家康に気に入られたのか

乳母といえば「春日局」と言っても過言ではないほど、乳母の代名詞である春日局。

彼女は３代将軍・徳川家光の乳母として、絶大な影響力で大奥を取り仕切りました。

しかもそもそも、家光が将軍になれたのは春日局のおかげ。

家康に「将軍としての家光」を認めさせたのは春日局なのですが、なぜそんなことが聞き入れられたのでしょうか？

春日局のスーパーパワーの秘密にせまりました！

恐るべし春日局！乳母になる前のスーパー伝説

後に大奥の重鎮となる春日局ですが、ここでその片鱗を感じさせる事件を起こしています。

夫の正成には寵愛した側室がいたのですが、なんと春日局は離縁する際にこの側室を刺殺したといいます。

No.1でOnly one 以外、許せなかったのでしょうか。

大奥のトップに君臨する女性にふさわしい気性の持ち主だったのかもしれません。

ところが秀忠とお江与は家光の弟・忠長を将軍にしようと考えていたので、このままでは家光は長男ながら将軍になることが出来ません。

そこで春日局は、一計を案じます。

徳川家康に、「世子（跡継ぎ）としての家光の立場を明確にする」よう直訴を申し出たのです。

家康はこの願いを聞き入れ、皆の前で家光を時期将軍として宣言します。

ここで、家光の未来は確定されたのです。

この家康の行動は、現将軍の秀忠や御台所のお江与の意向を全く無視するものでした。

あまりに独断的な行動だったので、

「家康と春日局はただならぬ仲だった」

とする説もあるほどです。

本当のところは分かりませんが、この後、嫡男が後継者になることが将軍家の暗黙のルールになっていきます。

家康としては、無用な争いを避けるために下した判断だったかもしれません。

無事将軍となった家光は、春日局の努力の甲斐もあって堂々とした性格を身に着けていきます。

ところが一風変わったところは残っていたようで、春日局は将軍就任後も手を焼いたようです。

こんなとんでもないことまでお世話したというエピソードが残っています。

将軍ともなれば世継ぎを産ませることも大きな責任の一つですが、家光はあいにく男色だったようです。

女性に興味を持たないので、春日局はそこに一番苦労しました。

家光に子供を作らせるために、女中を男装させて閨に入り込ませたといいます。

それで上手くいったのでしょうか？

ともかくあれこれ手を打ち、その甲斐あって家光には世継ぎが誕生していきます。

それに伴い、大奥に子育ての機能を整備したのも、春日局でした。

家光の将軍としての人生を支え続けた、春日局。

そんな春日局は病気になりこの世を去りますが、家光は春日局のために高価な薬まで調達して力を尽くしたそうです。

でも春日局は、その薬を飲まなかったとか。

それは、家光の健康と長寿のために、自分は一切薬を断つという願をかけていたからです。

自分の命をひきかえにしても守りたいほどの、家光の存在だったのですね。

乳母といえど、育てた子供への愛は実の子供と同じ。

それこそが「スーパー乳母」のパワーの理由かもしれません。