「桂川連理柵」は江戸時代に人気になった心中ものの芝居です。
14歳の少女と40代の中年男性が主人公のこの芝居は事実がベースとなっていますが、真実は?
「桂川連理柵」のあらすじと、それにまつわる実説について調べてみました!
「桂川連理柵」あらすじ
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14歳の少女と道を踏み外してしまう40代の主人公
「桂川連理柵」の主人公は、京都の帯屋の主人・長右衛門と、その隣の信濃屋の娘・お半です。
40代の男盛りの長右衛門は、遠江から帰ってくる途中、偶然14歳のお半と同じ宿に泊まることになります。
お半は伊勢詣でから帰る途中でした。
2人が同宿したその夜、2人の運命を変える事件が起こります。
同行した丁稚の長吉に襲われそうになり部屋から逃げたお半は長右衛門に匿ってもらううちに、深い仲になってしまうのです。
2人の関係がバレ・・失踪の果てに心中
2人は何もなかったかのように京都へ帰りますが、全てを知っている丁稚の長吉が2人の関係について噂を流してしまいました。
長右衛門の妻・お絹は全てを知りながらも、長吉を買収し噂をもみ消すことに成功します。
これで無事にことが収まるか・・と思いきや、とんでもない事実が発覚します。
お半が懐妊したというのです。
長右衛門は悩むあまり仕事で預かった刀を失くすという失態を起こします。
そしてお半もまた、思い悩んで失踪してしまいました。
長右衛門は行方をくらましたお半を追って、家を飛び出します。
2人はまもなく、桂川で水死体となって浮かびあがりました。
2人は着物の褄を結び合わせていたのです。
京都での伝承は、心中ではなく強殺
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京都では、この2人の心中事件は少し違う形で伝えられています。
また長右衛門の年齢も、50代になっています。
2人が深い仲になり妊娠のすえ失踪、というところまでは芝居の通りですが、亡くなった原因は心中ではありません。
失踪した二人が頼ったお半の乳母とその息子が、お半の持っていた金子を奪ったすえ心中に見せかけて殺したというものでした。
この事件は乳母が持っていたお半の持ち物から発覚し、乳母と息子は死罪になったと伝えられています。
町奉行の取り調べでは、2人は恋愛関係にはない
京都町奉行の扱った事件記録の中では、お半と長右衛門の関係は単なる旅の同伴者ということになっています。
長右衛門は、大坂へ奉公に出るお半を送ることを依頼されたのでした。
2人は桂川で、「川を渡らせてあげるから」と言い寄ってきた付近の遊び人に騙され、川の途中で殺害されます。
そして長右衛門の金子を奪った末に、2人を心中に見せかけて川へ投げ捨てたのです。
しかし盗んだ金子を両替に出す際、長右衛門の名前が包み紙に書いてあることを遊び人が読むことが出来ず、捕まって死罪になったというものです。
☆☆☆
様々な伝承がありますが、個人的には町奉行の記録によるものが一番あり得そうかなと思いました。
芝居にすると、おもしろくはないかもしれませんが・・