その昔、中国では「天変地異と政治は大きな関りがある」と考えられ、国を守る学問として天文観測が発達しました。
なかでも「北極星」は特別な星として考えられ、「北辰信仰」という信仰まで存在しています。
またこの北辰信仰は、日本の陰陽道にも大きな影響を与えました。
この記事では「北極星を祭る北辰信仰の内容」と、陰陽道との関係について分かりやすく解説してみました!
北極星を至上の神と考える「北辰信仰」
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北極星を祭る「北辰信仰」は、中国の道教で発展した考え方でした。
「道教」とは、
「道(タオ)」宇宙の根源的な真理
を中心思想とする宗教で、ここにおいて北極星は
最高神
天帝
皇帝の星
と考えられてきました。
そのため皇帝自ら北極星を祭る祭祀を行い、その規模は国家的なものであったと言われています。
日本における北辰信仰
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奈良時代には日本でも、中国にならって、天皇により北極星を祭る祭祀が行われるようになりました。
また「妙見菩薩」という菩薩も出現しています。
「妙見菩薩」とは北極星が菩薩になった姿のこと。
この妙見菩薩は、菩薩の中でも最強の存在であると信じられるようになりました。
陰陽道が北辰信仰から受けた影響
さて、道教の影響を強く受けていた陰陽道では、北辰信仰の影響により北極星の一番近くに存在する「北斗七星」を篤く信仰するようになります。
北斗七星は中国で「天帝の乗る車であり、四方を司る神」。
またそこから発展して、北斗七星は人々の長寿や豊かさを司ると考えられていました。
陰陽道でもその考えを取り入れ、「属星祭」という祭として北斗七星に対する信仰が行われるようになります。
この属星祭は国家的な祭祀というより個人的なもので、一般貴族に広く取り入れられていきました。
またこの陰陽道による属星祭の影響で、日本では密教でも北極星や北斗七星が重視されるようになっていきます。
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