大和和紀さんが描いた、源氏物語の漫画版「あさきゆめみし」

これに登場する女性で勝ち組と言えるのは「花散里」だと思う。

男の人の信頼を勝ち取りたいなら、彼女のように振舞ったらいいんだろうな。

ということで「花散里」のエピソードを振り返ってみました。

「あさきゆめみし」における花散里

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漫画「あさきゆめみし」の中で、花散里は控えめでぽっちゃりの、いわゆる美人とは言えない外見で描かれています。

源氏との出会いは、まだ源氏が若かった折の端午の節句のころ。

その頃、心に鬱憤を抱えくさくさとしていた源氏は、橘の木に八つ当たりをします。

それをやんわりとした口調で諫めたのが、花散里でした。

そしてバツの悪そうな源氏の手(※)を、彼女はそのままの穏やかな様子で手当してあげます。

(※橘の木に八つ当たりした時に、跳ね返った枝にやられた)

そんな様子に源氏は心を解かれ、後日花散里へ薬玉を送って恋人同士となるのです。

☆☆☆

月日は流れ、源氏はいつものように女性のもとへ。

ところがこの日は、久しぶりに尋ねようとしていた女性に、冷たくあしらわれてしまいます。

少し傷ついた源氏ですが、ちょうど花散里が近くに住んでいたことを思い出しました。

花散里とは少し疎遠になっていましたが、尋ねてみることに。

すると・・

花散里は全く恨んだ様子もみせず、久しぶりに尋ねてきた源氏にとっても嬉しそうな様子。

「やっぱりこの女性は他の女性とは違う」

源氏はこの時から、花散里を特別な女性だと認識するようになりました。

☆☆☆

その後、花散里は源氏の屋敷に移され、子供こそもうけませんでしたが、その人間性を信頼され「夕霧」と「玉鬘」二人の子の母代わりとなります。

源氏の妻としては、「紫の上」に次ぐ立場の女性となりました。

どんなに自分勝手な男でも、心から愛せば「花散里」のようになれるのか

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この「花散里」のくだりを読んだとき、私は思いました。

「なに?この女・・ウソくさ」

現実にこんな女性って、本当にいるのでしょうか。

どれだけ外で遊び歩いても、イヤな顔ひとつせずに家に迎え入れて、膝枕してあげちゃうなんて・・

心から相手を愛していると、浮気や家に寄り付かないことなんて、どうでもよくなるのでしょうか。

私には共感も出来ないし、素敵だとも思えない・・

源氏物語の他の女性たちは、怒ったり嫉妬したり、苦しんだりして、中にはとても見苦しい様子もみせたりします。

六条御息所なんか、嫉妬のあまり生霊まで飛ばしてしまいますが、そんな心理のほうが私には理解できます。

あ、いま思ったのですが、花散里さんは本当は

「浮気なんてどうでもいい」

じゃなくて

「源氏なんてどうでもいい」

だったんじゃないかな?

それで本当に人が良かったので、博愛主義的に源氏を受け入れてたのかな?

どっちにしろ、私が花散里と同じ行動をしても、

「こうすれば男の信頼を勝ち取れるんだろ?」

という計算に基づいていますから、すぐにメッキが剥がれて逆効果。

多分普通の女性は私と同じような感受性と思考回路だと思うので、「イヤなことはイヤ!」と素直に怒った方が、自分の幸せのためですよね。

結論としては「花散里のマネをしても、辛いだけ」。

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