思春期のころに接した情報は自分の「常識のベース」になることが多いと思います。
私にとってそれは「あさきゆめみし」の紫の上。
彼女は、
「男性の心を離さない女性像」
のベースになりました。
でもそのせいで、私はめんどくさい女になっていくんですけど。
ということで、大和和紀版・源氏物語「あさきゆめみし」の紫の上のエピソードを振り返ってみました!
「あさきゆめみし」で描かれた紫の上
紫の上が登場したのは彼女がまだ幼いころ。
有力者の恋人だった母が亡くなり、北山で祖母に育てられていた紫は、
北山に療養に訪れていた源氏と偶然出会います。
その時源氏が幼い紫の上に見たのは、恋い慕っていた義母「藤壺」の面影でした。
そうして源氏は紫の上を引き取り、理想の女性に育て上げていきます。
☆☆☆
月日は流れ、源氏の妻として扱われるようになった紫の上。
ところが子供もなく、また身分がはっきりしないために正妻にもなれず、ただ源氏の「愛」だけを頼りに生きていくようになります。
そんな紫の上の心を引き裂いたのは、朱雀院の女三宮と源氏の結婚でした。
源氏が新たな女性へ愛情を注ごうとするのを、冷静に受け入れることのできない紫の上。
その心労から病を発症し、出家を願いつつも源氏に受け入れられないまま、病でこの世を去ります。
源氏の心を紫の上に引き戻した、彼女の「涙」
齢を重ねてもなお藤壺への執着が解けずに女三宮を受け入れる源氏に、紫の上は本当に心を痛めます。
ところが、彼女はそんな様子を、源氏に見せないように努めるのです。
漫画に、こんなシーンがありました。
源氏が女三宮の部屋へ行っている夜、一晩中泣き明かす紫の上。
そこへ源氏が帰ってきました。
女三宮の心の幼さに物足りなさを覚え、紫の上が恋しくなったのです。
それを優しく受け入れる紫の上。
もちろん恨み言も言わず、涙も見せずに。
でも、源氏は涙で濡れた着物の袖に気付き、紫の上の心中を思いやり、一層紫の上を大事に思うようになります。
紫の上の苦しい心や、それでも源氏を愛することがうかがえる素敵なシーンなのですが・・
私はこのシーンのせいで、勘違いしました。
「男に愛されるには、我慢を重ねて最後に泣けばいい。」
文章にしただけで恥ずかしいほど、めんどくさい勘違い。
この勘違いのせいで、この先ムダに過去の彼氏を苦しめ、
「泣いたのに紫の上のように愛されない」という事実に自分をも苦しめ
バカなのでこの勘違いになかなか気づかずに思春期を過ごすのでした。
今は涙でなんとかなるなんて、思ってないですよ?
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