月読尊(ツクヨミノミコト)は国産みの神・イザナギとイザナミから生まれた、夜の国や海原を治める神です。
太陽の神・天照大神(アマテラスオオミカミ)は兄弟ですが、2人の神は顔を合わせることはありません。
そうなったのには、ちょっとした事情があったのです。
ここでは、太陽の神と月の神が別々の世界を治めることになったいきさつを、神話から説明します!
アマテラスとツクヨミが離れ離れになったわけ
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太陽と月が一緒にいたころ
アマテラスとツクヨミは、もう一人の兄弟・スサノオノミコトとともにイザナギ・イザナミから生まれました。
姉のアマテラスは太陽の神。
昼の世界を治めています。
一方で弟のツクヨミは月の神。
夜の世界を治めているため、二人の神は現在では顔を合わせることが出来ません。
ところが神話の世界の初めごろは、アマテラスとツクヨミが共に生活していた時代がありました。
(そのころは、太陽と月が別々の世界に分かれていなかった)
そのころアマテラスとツクヨミは、父母であるイザナギとイザナミから天のことを知らせる役目を与えられていました。
ツクヨミが起こした大事件
ある時ツクヨミはアマテラスの命令で、地上の世界に保食神(ウケモチノカミ)の元を訪ねることに。
ツクヨミが下界に降りていくと、ウケモチノカミはツクヨミのために宴会の準備をしているところでした。
ところがその様子をみたツクヨミは思わず鳥肌を立ててしまいます。
米やら、海の幸やら、山の幸やら・・
ウケモチノカミは、宴会のための食糧を自分の口から吐き出して作っていたのです。
「こんなものを食べさせるなんて、あり得ない!」
と怒ったツクヨミは、ウケモチノカミを斬り殺してしまいます。
ところがそれを知ったアマテラスは、反対にツクヨミに対して大激怒。
「そんな乱暴をする奴の顔なんか二度と見たくない!」
と、二人は昼と夜に別れて別々に暮らすようになったのでした・・
殺されたウケモチノカミはその後・・
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これが、太陽と月が昼と夜に別れることになったいきさつです。
もう少しロマンティックなものかと思いきや、ちょっとグロいエピソードも含まれたただのケンカ別れだったんですね。
(ちょっとがっかり)
一方で良かれと思ったことをして殺されてしまったウケモチノカミ。
ウケモチノカミの死体はその後、家畜や農産物を生み出し、地上の人々の食糧の源になったと言います。
ツクヨミがウケモチノカミを殺してしまったことを激怒したアマテラスですが、地上に豊かな食糧が生まれたことは喜んだのだとか。
それなら今頃は、仲直りしてるといいですよね!