神社の参道は「産道」に通じ、神域の門である鳥居は「陰部」である。

こんな説は聞いたことがありますが、百襲姫(ももそひめ)の神話を聞くと、この説があながち間違ってもいないような気がします。

ここでは日本書紀に記された百襲姫の神話から、女性の陰部の神秘性について考えてみました。

陰部に神の罰がくだった「百襲姫(ももそひめ)」の神話

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日本書紀によると、「倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)」は孝霊天皇の皇女として登場します。

孝霊天皇の曾孫の崇神天皇の頃、疫病などが続いたために神に祈りをささげていると、百襲姫に大物主神と名乗る神が憑きました。

そして「大物主をよく祀れば、災いは納まるだろう」と宣託したのです。

このあと百襲姫は大物主の妻となりますが、大物主は夜にしか現れません。

「どうしても朝までいてほしい」と懇願すると、神は「朝には櫛箱に入っている」と答えました。

そこで翌朝、百襲姫が櫛箱を開けてみると、中には白い小さな蛇が。

驚いた百襲姫の前に、蛇から人間の姿に変えた大物主が現れ、

「今度はお前を辱めてやろう」

と告げ姿を消しました。

百襲姫が思わず座り込むと、そこには箸が転がっていて、陰部をついて死んでしまったのです。

陰部は神との交信窓口か

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上記の神話は、

神(大物主)と結婚して神の声を聞くようになった百襲姫が、神と断絶した直後に陰部を突かれて死ぬ

という衝撃的な内容です。

神の声を聞く百襲姫は言わば「巫女」。

その百襲姫が神の怒りを買い巫女としての能力を失う時に陰部を損傷するということは、

古代日本では、神との交信に女性の陰部を使った

と言うことを暗示しているのではないでしょうか。

この考えは、神社の鳥居を女性の陰部と同一視する説と一致しています。